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令和7年4月の育児・介護休業法
2024/02/26
愛知県知多地域、西三河碧海地域、名古屋市南部地域を営業区域としています、中小企業応援社労士、承認ファシリテーター、(特定社会保険労務士)の岡戸久敏と申します。(西三河・知多の特定社会保険労務士 – おかど社会保険労務士事務所 (sr-hokado.jp))
私は、信頼をつなぐ「就業規則」と、実体験に基づく「セミナー」で、中小企業を応援しています。
令和6年の通常国会で、育児・介護休業法が改正され、令和7年4月に施行させる予定となっています。
その内容について、概要をご説明します。事業者の皆様にあっては、従業員が育児休業、介護休業を中諸なく取れるよう、制度の周知、社内雰囲気づくりに努めていただければと考えます。
令和7年4月以降、育児・介護休業法の改正により、両立支援制度がさらに拡充されることになります。
1 育児・介護休業法の改正(令和7年4月施行)
(1)育児関係
① 子の看護休業について、対象となる子の年齢を小学校就学前から小学校3年生修了前(9歳に達する日以後の最初の3月31日まで)に引き上げるとともに、取得事由を感染症による学級閉鎖、子の入卒園式、入学式などにも拡大する。名称を「子の看護等休暇」に改める。また、労使協定により入社6か月未満の者を対象から除外できるしくみは廃止する。
② 所定外労働の制限(残業の免除)を請求できる対象について、3歳に満たない子から、小学校就学の始期に達する子を養育する労働者まで拡大する。
③ 男性の育児休業等の取得状況の公表を義務づける事業主の範囲について、常時雇用労働者数1,000人超の事業主から300人超の事業主に拡大する。
④ 3歳に満たない子を養育しながら、短時間勤務を講ずることが困難な業務に従事する労働者に対する代替措置として、テレワークを追加する。
⑤ 事業主が、育児休業を取得していない3歳に満たない子を養育する労働者に講じる努力義務の措置として、テレワークを追加する。
(2)介護休暇関係
⑥ 介護休暇について、労使協定によって入社6か月未満の者を対象から除外できるしくみは廃止する。
⑦ 事業主は、対象家族が介護を必要とする状況に至ったことを申し出た労働者に対し、両立支援制度等に関する情報を個別に周知し、制度利用の意向を確認するための面談等の措置を講じなければならない。
⑧ 事業主は、労働者が40歳に達する年度などの期間内に、介護休業等の両立支援制度等に関する情報提供を行わなければならない。
⑨ 事業主は、労働者による介護休業等の両立支援制度の申出が円滑に行われるようにするため、①研修の実施、②相談体制の整備、③雇用環境の整備に関する措置(自社の方針や取得事例の周知)のうち、いずれかの措置を講じなければならない。
⑩ 事業主が、家族を介護する労働者に対して講じる努力義務の措置としてテレワークを追加する。
2 同(公布日から1年6か月以内に施行)
⑪ 事業主は、本人または配偶者が妊娠、出産したこと等を申し出た労働者に対し、両立支援制度等に関する情報を個別に周知し、制度利用の意向を確認するための面談等の措置を講じる現行の義務に加えて、子や家庭の状況により両立が困難な場合、その支障となる事情の改善に資する勤務時間帯、勤務地、制度の利用期間等の希望等を確認しなければならない。事業主は、その労働者の就業の条件を定めるにあたって、確認した意向に配慮しなければならない。
⑫ 事業主は、3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者の柔軟な働き方を実現するための措置として、①始業時刻等の変更(フレックスタイム制、時差出勤)、②テレワーク、③短時間勤務制度、④新たな休暇の付与、⑤保育施設の設置運営等のうち、2以上の制度を選択して講じなければならない。措置にあたっては、あらかじめ労働者の過半数代表者の意見を聞かなければならない。
⑬ 事業主は、3歳に満たない子を養育する労働者に対して、一定期間内に、⑫の対象措置に関する情報を個別に周知し、取得する意向を確認するための面談等の措置を講じなければならない。加えて、子や家庭の状況により両立が困難な場合、⑪と同様の意向の確認及び配慮をしなければならない。
3 雇用保険法の改正(令和7年4月施行)
⑭ 子の出生後の一定期間以内(男性は子の出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内)に、被保険者と配偶者がともに14日以上の育児休業等を取得する場合、28日間を限度として休業開始前賃金の13%を出生後休業支援給付として支給する。
⑮ 2歳未満の子を養育するために短時間勤務を選択した被保険者に対し、期間中に支払われた賃金の10%を育児短時間就業給付として支給する。
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